東奔西走

N.Y.に着いた。飛行機で隣に座っていたフロリダ出身のジム君は非常に気さくで、空の旅を楽しいものにしようと色々と話しかけてくれたのは大いに嬉しかった。嬉しかったのだが、彼の放つ体臭だけは許してはいけないと思った。一人で高校生男子運動部ロッカー並みの体臭を余すところ無く漂わすので、飛行機だというのに、少し酔ってしまった。
ジム君が僕に愛想を尽かしthe officeを見始めてからは、途中で放ったらかしにしていた『行動経済学』を読むことにした。第6章の割引率の話が退屈で読み止めていたのだが、面白いのは、ゲーム理論風の話に移るそれ以降の章だった。協力、フリーライダー、利己的、他利的、といった要素がからむゲーム理論の実験は、普段我々が出来そうなゲームもあって興味深い。
特に気になったのは、遅刻率を減らせる目的で遅刻者に罰金を科すと、遅刻率がかえって増えてしまうという実験結果で、つまり、罰金というシステムが、反省の証でなく、罪悪感の浄化の促進になることが大いにありうるのである。普段あまり気づかないがこれはどう考えたって理不尽だと思う。だからどうすれば、ってのは分からないけど。
何はともあれ無事にNYに着きました。学校まであと4日。