The Lego Movie

企画だけの子供だまし映画では無い。物語はそれなりに芯が通ってるし、レゴ映画と聞いて観客が想像しうる映像を遥かに超えた視覚的感動がここには確かにある。レゴを映画にするというアイデア自体はカスみたいなもんだが、そういった批判をものともしない娯楽作品としての爆走っぷりには正直感心した。しかもジョークが面白い。突っ込みが存在しないバカばっかりの世界観。明るく毒を抜いたサウスパークというか。日本で言うなら全盛期のTRICK的な、ユルいアホらしさ。
ストーリーは、かなり練られてはいるが、完璧には遠い。実際、序盤から矢継ぎ早にギャグが展開されているせいか、中盤あたりでかなりダレる。キャラクターの魅力で一応つなぐが、物語の大きな流れに身を任せていられる安心感は無い。もうちょっと主人公の心理を描いても良かったかなぁとも思うが、まあ所詮レゴだし、と考えればどうでもよく思えてくる。そうこれは観てる間だけ楽しんで劇場を出たときには何もかも忘れる事の出来る純粋な娯楽映画なのだと思う。そういう意味での完成度はかなり高い。映画が終わった瞬間、観客から拍手が沸き起こったんですよ自然に。これを娯楽映画としての成功と言わずしてなんと言えましょうか。