サン=テグジュペリ配役発表

今年の夏の宝塚花組公演は『サン=テグジュペリー「星の王子さま」になった操縦士ー』。内容について詳しくは知らないけど、想像するにおそらくサン=テグジュペリに関する史実、『人間の土地』で語られているエピソード、それと『星の王子さま』の名台詞や思想等を織り合わせたストーリーになるのではないでしょうか。実際配役の中にキツネやヘビがいないので、テグジュペリのフィクションが直接演じられる事は多分無いでしょう。
そして今日、その配役が発表されました。前述の通り、史実に依拠した舞台になると予想されるので、配役をみても殆ど役柄がピンとこないものばかり。しかし、そんな中我らがだいもんこと望海風斗さんの役、ホルストは何者かとしらべてみたら衝撃の事実が。サン=テグジュペリの関連人物の中でホルストと名のつく物はただ一人。ホルスト・リッパート曹長その人こそ、何とサン=テグジュペリを追撃し文字通り海の底に沈めた張本人!
出番が多いかはまだ分からない。何しろサン=テグジュペリと直接の知り合いではないし、そもそも彼らの人生が交差したのは長い人生のラストほんの数十分なので、そういう点ではストーリーにしつこく絡んで来てはくれなさそう。
しかし、その人生最後の刹那がサン=テグジュペリの人生に大いなる意味を持っていたのも事実。飛行機に憧れながらも、時代の渦に巻き込まれ思うように空を飛べなかった彼は、高齢になってからも軍隊に所属し、出撃を志願しつづけたそうです。反対する上層部を押し切ってコルシカを飛び立った彼はおそらく自身の飛行に誇りを持っていたと思います。ついでにホルストは、サン=テグジュペリの愛読者でもあったようで、飛行機(F-5B)を追撃した時は彼が乗っていたとは知らず、その後も彼で無い事を願っていたそうな(それはそれで若干身勝手な話でもあるけど)。
そういう訳で、個人的にはこの配役、脚本によってはとても魅力的になりえると思うので、どういう風に演出されるかも含めて、期待して待ちたいと思います!!!