リハーサル

今日は532 intermidiate directing のリハーサル。脚本はサイドウェイ。USCに来て二年目ではあるが、人が書いた脚本でリハーサルを行うのはまだ二度目であり、緊張するというよりは、ストラテジーを手探りしている感じ。
高々数時間のリハーサルで、改めて思ったのは、いわゆるSimple is bestということ。ドラマというのは、複雑な感情をこそ表現するべきであると考えがちだけど、あまり複雑に考えすぎない方が良い。複雑な気持ちを表現する際に発するセリフや、その瞬間のキャラクターの感覚は、単純で良い。複雑なのは登場人物達の関係性であり、キャラクターの発言の意図は常に明確であるべきである、ということ。
今日のリハーサルはこの黄金律を改めて思い知らされた。序盤、特に最初の数回は、俳優の演技が回を重ねる事に良くなっていく。言い換えれば、自分の想像していた方向に近づいて行く。しかし、それが三回目、四回目となると、徐々に方向性があやふやになり、新鮮さが失われ、退屈になっていく。
その時に改めて、今までのリハーサルを踏まえた上で、全てを単純に考える。そして、一つ一つのアクションの意図を、最もシンプルに解釈する。するとどうだろう。全ての演技が分かりやすく、力強く、面白いものに変わっているのであった。
まだいくらか課題は残っているが、俳優の演技を見ることによってキャラクターの解釈が明瞭になって行く過程を味わったのは、初めてだった。成功したかどうかは自分で決める事じゃないけど、少なくとも楽しめたという点で、とても有意義なリハーサルだったと思う。