タブー

二日間画に集中して結局何も仕上がらなかった。残った物と言えば、今の自分の画力では煽りの街は絵にならない、という事。
あともう一つ得た教訓は、画作りはギャンブルに似ているという事。特に速く描くのが苦手な僕みたいな人間は、例えば5時間とかを費やした後に、「これうまく仕上がらないんじゃね」という予感がしても、そこで止める事が出来ない。これって、その日負けた分が惜しくて途中で止める事が出来ず結局負けを重ねてしまうギャンブラーの思想と一緒だ。尚かつ、中途半端な画が最後の仕上げで急にいい感じになる経験があるだけに、妙なプライドも相まって、どうしてもギブアップができない。そんなこんなで二日目になり、未だに完成が見えてこない。止めたい、けど止められない。そんな苦境の最中ふと、「敗戦が目に見えているのに素直に降参できなかった日本軍もこんな心境だったのか」、と頭によぎる。そして、そうおもった瞬間に、すっと筆を置く事ができましたとさ。