卒業制作

映画学校であれば、在校生は全員卒業制作をするかと思われがちだけど、USCの場合は違う。大体一学年20人程度が卒業制作をするのみで、他の人たちは別の方法で卒業単位を取得するのです。というのもUSCは映画制作に関するあらゆるレベルでの職業を訓練する場所だからで、卒業制作をせずとも、編集だけを集中的に学んだり、あるいは脚本を一本まるまる作って卒業する事もできるのです。
今日は前学期製作された卒業制作の上映会。六作品あり、どれも色の異なる作品で、多様性という点ではまあまあ面白い。とはいえ、物語はどれも浅く、結局のところなにを表現したいのかが良く分からない作品が多かった。”浅さ”とは何か。ほとんどの作品において、主人公が変化しない。主人公の心情に変化がある場合であっても、その過程がいまひとつ描けていないので共感しづらい、など、ドラマ作りの根本がしっかりしていないような気がした。あと、これは誰の責任でもないんだけど、死/離婚/病気などのメロドラマが多くて疲れた。プログラムを組む人たちは、せっかくひと作品コメディがあるのだから、それを真ん中に持ってくる等の工夫をしてほしかったと思う。